西山朋佳三段、女性初の四段昇段ならず…連勝も次点に終わり涙「また頑張ります」
将棋の棋士養成期間・奨励会の第66回三段リーグ最終節(17、18回戦)が7日、東京都渋谷区の将棋会館で行われた。前節まで暫定3位だった西山朋佳三段(24)は、連勝して通算成績を14勝4敗としたが、最終順位も3位となり、今期の四段昇段は消滅。女性として初の正式なプロ棋士誕生はならなかった。
奨励会の三段は各18局のリーグ戦で、上位2人が四段に昇段。この日は前節まで暫定1位の谷合廣紀三段(26)が1勝1敗で2位に、暫定2位の服部慎一郎三段(20)は連勝で1位となった。西山を含む3人が14勝4敗で並んだが、前期順位が服部三段2位、谷合三段4位に対して西山三段は21位だったため、順位差での“頭ハネ”で次点となった。
自身が連勝を決める前に服部三段が勝利し、昇段の目はなくなっていた。同席した日本将棋連盟常務理事の森下卓九段(53)によると、自身の終局後、昇段を逃したことを知った西山三段は、こらえきれずに涙が止まらなかったという。
それでも、きっちり連勝して次点となった西山三段は「また頑張ります」と一言、気丈に言葉を残して将棋会館を後にした。奨励会のルールでは、2回次点となると、フリークラス編入での四段昇段が実現する。この日1敗していれば次点も逃していただけに、史上初の快挙に向けても大きな連勝。4月にスタートする第67期を含め、年齢制限まで最低でも3期を残しており、歴史を変える挑戦にさらに注目が集まる。