山尾氏、緊急事態宣言を可能にする改正案賛成の立憲に反論「野党の仕事」原点を訴える
立憲民主(立憲)党の山尾志桜里衆院議員が12日、ツイッターに新規投稿。同氏は、新型コロナウイルスの感染拡大を受け、首相による「緊急事態宣言」を可能とする改正案の採決で賛成する方針の立憲に反対表明したが、改めて「怯(ひる)まず議論して…問題点を今と未来に残すのが野党議員の超重要な仕事」と、その姿勢を貫く思いをつづった。
緊急事態宣言をめぐり、立憲や国民民主党は改正案に「国会による事前承認」を明記する修正を求め、新型インフルエンザ等対策特措法改正案の付帯決議に「国会に事前に報告する」という文言を盛り込むことで妥協。党として賛成に回ることを決めたが、山尾氏は立憲の枝野幸男代表らに「野党の大事な仕事」という原点に立って執行部を批判した。
立憲の安住淳国会対策委員長が「少数野党に法案をひっくり返す力がない」との発言をしたことに対し、山尾氏は「承認があっても少数野党では結論をひっくり返せない?ほとんどすべての法案審査だってそうだよ!それでも怯まず議論して、必要あれば与党や世間を説得して、修正を迫って、どうしても無理なら最後は反対して、問題点を今と未来に残すのが野党議員の超重要な仕事じゃないの!?」と訴えた。
さらに、山尾氏は「国会報告で足りれば議員は楽。その時は賛否を曖昧にして、結果よければ『正しい判断だった!』、結果悪ければ『やるべきじゃなかった!』後付けで言えばいいんだから」と指摘した。
山尾氏は、前日の法務委質問で特措法に関する答弁として「民放テレビ局も指定公共機関に指定可能。緊急事態宣言が出れば、総理は報道内容についても指示可能」と引用し、「政府が特定のテレビ番組に反論ツイートしてる現状を見つつ考えてほしい。せめて国会『承認』の賛否を通じて議員が責任負う仕組みにしないと」と危機感を示した。同氏は「「執行部の判断、残念です。私は『立憲主義の枠内と考える範囲で執行部の意見に沿う』という方針で採決に臨みます」と誓った。
山尾氏のツイートに対し、「政府が民放テレビ局を指定公共機関に指定可能にするのは一番危険なことだと思います。情報統制に限りなく近く、政府に批判的なことは報道されず、権力のチェックの役割を果たせなくなる」「緊急事態だからと従わせる。これまでより合法的、かつ、強権発動可能ですね」などと危機感を示すリプライが続いた。