宝塚月組トップ珠城りょう号泣退団会見「ファンに会える日を楽しみにしている」
宝塚月組トップスター・珠城(たまき)りょうが17日、大阪市内のホテルで退団会見を行った。来年2月14日の東京宝塚劇場「桜嵐記/Dream Chaser」の千秋楽で退団する。
さわやかな白いスーツで会見場に登場。「感染症流行の中、駆け付けていただき、感謝でいっぱいです」とあいさつした。
退団を決めたのは昨春の「無限無双」のときだった。「いままで自分が耐えて背負ってきたものを、降ろしてもいいのかな」と涙声で振り返った。組子に退団を伝えたのは前日の稽古場。「突然だったので、みんな固まって…。それに私の方も泣いちゃって」と再び涙をぬぐった。
主演公演中だった名古屋市の御園座「赤と黒」も2月29日から千秋楽まで中止となった。「このようなご時世ですが、私の退団は暗い話じゃなく、次への一歩。ファンの方には会えていませんが、いつもどうしてるかなって。会える日を楽しみにしています」と涙ながらに、ファンへの思いを口にした。
珠城は2008年に入団。16年9月の入団9年目でのトップ就任は、近年では天海祐希の7年目に次ぐスピードで、注目を集めた。「私と天海さんじゃ、全然比べものにならないので『やめて~』と。比べるのは失礼」と語ったが、トップになってからは、むしゃらにやってきた。
中止となった「赤と黒」では燕尾服で一人で踊る場面があった。「一人でも怖くなかったのが、トップになってからの成長かな」と笑顔も見せた。「トップは孤独というけど…もちろん背負うものは大きいけど、私にはだれか手を差し伸べて支えてくれる人が回りにいた。だから孤独じゃなかった」と周囲にも感謝した。
今後は「私は宝塚の男役が好きなんだ、と改めて感じた。男役を十分に楽しんで、次の代に渡したい」と珠城。お約束の結婚の有無については「見えないな~」と茶目っ気たっぷりに返してした。
本拠地の宝塚大劇場サヨナラ公演は11月13日~12月14日。東京宝塚劇場は2月14日に千秋楽を迎える。