三島由紀夫は「イメージとかけ離れていた」と豊島圭介監督
ドキュメンタリー映画「三島由紀夫vs東大全共闘 50年目の真実」(20日公開)の記者会見が17日、東京・日本外国特派員協会で行われ、豊島圭介監督(48)と芥川賞作家の平野啓一郎氏(44)が出席した。
映画は1969年5月、東京・東大駒場キャンパスで行われた三島由紀夫と東大全共闘との討論会の様子を軸にしたドキュメンタリー。豊島監督は「普段はホラー、コメディーというジャンル物の画を作っている身。話が来て一番驚いたのは自分自身」と告白した。
三島は翌年11月25日、東京・市ヶ谷の自衛隊駐屯地に乱入し、自衛隊に決起を訴えた後割腹して自決するが、豊島監督は「三島に持っていたイメージは、1970年に市ヶ谷で楯の会の制服で割腹自殺した作家と思っていたが、(映像は)そのイメージとはかけ離れていました。生き生きとして姿で、そのイメージが180度覆った」と明かした。
逆に平野氏は「驚きませんでした」とキッパリ。14歳から三島作品に親しみ、さらには三島と親交のあった美術家の横尾忠則氏、小説家の瀬戸内寂聴氏、歌手の美輪明宏らから三島氏の話を聞いていたという。
「魅力的な人だったと、エピソードを聴かせてくれた。三島のイメージと(映像は)齟齬(そご)のない姿でした」と強調した。