【弁護士の見解】香川県ネット・ゲーム依存防止条例は憲法違反の可能性十分

 子どものゲームやインターネット依存症対策として、ゲーム利用時間について1日60分までを目安としたルール作りと順守を家庭に求める、全国初の「県ネット・ゲーム依存症対策条例」が、香川県議会で可決、成立したことについて、「弁護士法人・響」の西川研一代表弁護士が18日、デイリースポーツの取材に対応。「罰則がないため微妙な問題ですが、憲法違反の可能性は十分あります」と指摘した。

 西川弁護士は「私人の私生活に対して、公権力が何かを取り決めるのは、本質的に大きなお世話」と説明。「条例制定は、たとえば『ゲームを60分以上続けると多くが依存症になる』など、規制を必要する明確な立法事実があって、初めて正当化されるべき」と主張した。

 その上で、「現状では、その立証がされているとは思えず、日本国憲法第13条に規定されている『個人の尊重』に反する、不当な権利制約である可能性は十分」と力説。「もし罰則を設けていれば、確実に個人の権利侵害になったと思われます」と推察した。

 また、スマホを用いたインターネットへの接続時間にもルール作りを求めていることにも言及。「学習目的での検索のスマホ使用はルールの対象外とはいえ、時間を区切るなど規制をかけることは、国民の知る権利や表現の自由を規制することに繋がる。こちらも憲法に違反しかねない」と解説した。

 さらに総論として、「ネットやゲームが諸悪の根源で、それを規制すればいろんな問題が解決するという思考が感じられる条例。依存症を家庭だけの問題として押し込めてしまう可能性があり、問題の本質をはき違えているのではないかと感じる」と批判。「ネットの使用を規制することにより、場合によっては、香川県から世界的に偉大な人物が輩出される芽を摘むことにもならないとは言えない」と厳しく指摘した。

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