米團治、コロナで40公演中止の危機も「米朝から『仕事ないくらいなんや』と言われそう」
2015年3月19日に89歳で死去した人間国宝で落語家の桂米朝さんの命日である19日、兵庫県姫路市の名古山霊園で眠る米朝さんの墓前で神事「桂米朝五年祭」が営まれた。汗ばむような温かさで晴天に恵まれる中、長男の桂米團治(61)、桂ざこば(72)ら一門の落語家35人を含め、親族、関係者ら約50人が参列した。
新型コロナウイルス感染拡大で米朝一門の落語会は、3月だけで約40公演が中止になった。米朝事務所の社長を務める米團治は「前代未聞の国難というような感じがするが、戦争を体験した米朝から『戦争中はもっとひどかった。家も何も焼けてしもうた。仕事がないくらいなんやねん』という声が聞こえてきそう」と明かし、「興行としての『米朝まつり』は中止となったが、もっと一丸となってやらなあかん。ピンチをチャンスに変える工夫をして乗り越えれば、また新たな道が開けるのでは」と前向きに話した。
「師匠はいつも隣りにいて、怒られてる」というざこばは、11日から休館中の寄席小屋「動楽亭」(大阪市)を4月1日から稼働される予定とした。「若い子もやってくださいと言う。落語をしゃべらんと、自分までおかしくなる」と思いを口にした。
米朝さん亡き後も、米朝一門は品格を受け継いでいるとした米團治は、「米朝さんなら危機をどう乗り越えるか」と質問されると、「大きい人は泰然と構えてる。(自分も)浮き足立たずに泰然と構えたい」と返答。ざこばもうなずいた。
また、米團治は、20日から「米朝事務所チャンネル」をリニューアルし、YouTube配信をスタートさせるとした。