桂宗助 来夏二代目桂八十八を襲名 師匠・桂米朝さんの俳号…来年に襲名披露公演
落語家の桂宗助(56)が20日、大阪市内で会見を行い「二代目桂八十八(やそはち)」を襲名すると発表した。2021年夏にも、襲名披露公演を行う予定だ。八十八は、宗助の師匠・桂米朝さんの俳号で「米」という文字をばらした「八十八」を、俳句をよむ際に愛用していたという。
所属する米朝事務所社長の桂米團治(61)によると、先人の俳号を名跡として襲名する風習は、上方落語や歌舞伎界で古くからあるという。1988年に入門した宗助は「俳号とはいえ、米朝が名乗っていた名前を継ぐのはプレッシャー。研さんしていかなければならない」と気を引き締めた。
一門内でも「米朝の生き写し」とほまれ高い宗助に、八十八襲名の声が以前から上がっていたという。最初は固辞していたが、兄弟子・桂南光らの説得で決意。米團治は「米朝の魂は新しい八十八によって受け継がれる。他の一門にも伝わる。襲名によって、ポンと一段上がってくれるような気がする」と期待した。
会見会場は、この日「米朝五年祭」が開かれる予定だった大阪市内のホールのロビー。コロナ禍の影響で落語会は中止になり、客前での襲名発表はお預けになった。「残念としかいいようがない」と肩を落とした宗助に、米團治は「(世間が)こんな状態で発表するよりも…という米朝の気持ちの表れのような気がする。残念じゃない。お客さんの前で堂々としゃべれる日が来る」と声をかけていた。