藤井七段が大記録!史上初の3年連続年度勝率8割以上を達成
将棋の最年少プロ・藤井聡太七段(17)が24日、大阪市の関西将棋会館で指された第61期王位戦挑戦者決定リーグ白組で、稲葉陽(あきら)八段(31)に129手で勝利。非公式対局を含む今年度の成績を、64戦52勝12敗とした。
31日の棋聖戦決勝トーナメント準々決勝の菅井竜也八段(27)との対局を残し、3年連続の年度勝率8割以上が確定。1974年4月に表彰が行われた将棋大賞制定後、史上初となる快挙を達成した。
歴史に名を刻んだ。過去には羽生善治九段(49)、中原誠十六世名人(72)が2年連続の年度勝率8割以上を決めているが、それらの記録を高校生プロとして超えて見せた。
「記録のことは意識していなかった。今年度一局一局、全力を尽くしてきた結果で良かった」。藤井七段の声は小さかったが、大きな大きな記録だ。
過去1勝1敗の、稲葉九段との対戦。持ち時間が一時3時間差となるほどの、苦しい対局だった。「中盤、長考した。読み筋が当たらずに、時間も形勢も苦しくなってしまった。厳しいかなと思っていました」。敗色濃厚となった場面で、勝負手を連発。奇跡の逆転勝利をつかんだ。
王位戦は将棋の8大タイトルのひとつ。挑戦者決定リーグは予選トーナメントを制した8人と、シード棋士4人の計12人が紅白の2組に分かれ総当たりで対戦する。各組の首位同士が、木村一基王位(46)への挑戦者決定戦に臨む。
開幕から負けなしの3連勝で、白組首位ターンを決めた藤井七段。初タイトル挑戦へまた一歩前進したが「(リーグ戦の)残り2局も最善を尽くして指したい」と気を引き締めた。