テレ東魂でコロナ禍乗り切る 人気ロケ番組ピンチも小孫社長「別のもの出てくるんです」
テレビ東京は26日、東京・六本木の同局で定例会見を開き、人気ロケ番組が“危機”にひんしていることを明かした。新型コロナウイルスの感染拡大に伴って、「YOUは何しに日本へ?」(4月から月曜、後6・25)、「出川哲朗の充電させてもらえませんか?」(土曜、後7・54)といった人気ロケ番組に、多大な影響が出ているものだ。
来日外国人に密着する「YOU-」について、高野学編成局長は「訪日される外国人が激減しています。ロケもやっていますが、撮れ高がない状況です」と説明した。有名タレントと一般人との触れ合いを特徴とする「出川-」や「モヤモヤさまぁ~ず2」(日曜、後6・30)はロケ自体が行えていない。
終電を逃した人々の家まで着いていく「家、ついて行ってイイですか?」(水曜、後9・00)は、小池百合子都知事による不要不急の外出自粛要請を受け、今週末のロケを中止する方向。ディレクター約70人がおのおの部隊を結成し、1日10~15隊が街に繰り出す世界最大級のスタッフ陣がストップする。
いずれも人気番組とあって厳しい状況だが、小孫茂社長は“テレ東魂”で乗り越える腹づもりだ。これまでも低予算を知恵と工夫で克服してきた社風を最大限に生かし「何か別のものが出てくるんですよ。『YOU』がいなければ、『HER』なのか『HE』なのか。追い込んでいただくといいかもしれません」と、新企画や逆転の発想に期待した。
同局は25日からビルの受付近くにサーモグラフィーを設置。2月から社内にチーム制を敷き、出社と在宅勤務を交互に行ってきたが、27日からさらなる強化を行う。この日午前の会議で、27日から出社するのは全社員の2割強のみと決定。小孫社長は「出社人数をギリギリまで切り詰めて、どこまで今まで通りの番組作りができるかに挑戦していく」と、感染防止への強い決意を語った。