志村さん“初ステージ”の相方を務めた同級生が子供時代の写真とともに明かす秘話
新型コロナウイルスに感染し、29日に亡くなったタレントの志村けん(享年70)の訃報から一夜明けた31日、志村さんの小学校時代の同級生で“コメディアンデビュー”の瞬間に相方を務めた恵面(えづら)光夫さん(70)が、東京・東村山で営むスナック「八国山」で秘話を明かした。
志村さんと恵面さんは東村山市立化成小学校4~6年生の同級生。卒業直前の子供会でコンビを組み、落語「酒」を基にしたコントを披露した。ハナ肇とクレージーキャッツのコント番組「おとなの漫画」から発想を得て、蓄音機を何度も聴き直して臨んだ志村さんの“初ステージ”だった。
夫婦の掛け合いを軽妙に演じ、約50人が大爆笑。志村さんは妻役で「ひとみ婆さんの雰囲気は、あのときから。バカ受けで、2人で『やったな』ってなってましたね」と振り返る。動きの面白さで笑いを取るなど、まさに原点だった。
小学生時代の志村さんについて「真面目でおとなしいけど、リアクションが面白かった。肩と肩がぶつかると、大げさに驚いて笑いを取ったり。人気者でしたね」と回顧。卒業後も交流は続き、国民的人気者になっても人柄は変わらなかった。
「テングにならない。相手を立てるよね。人間的に出来過ぎている」。恵面さんはお店を1981年に開業。志村さんが地元に帰ってきた際には2人で飲みに繰り出した。カラオケになると、志村さんは吉幾三の「酒よ」「情炎」を好んだという。
恵面さんが好きなキャラクターは「変なおじさん」と「ひとみ婆さん」。理由について「昔の雰囲気のまま。人を笑わせるときによくやっていたなという雰囲気がある」と懐かしんだ。会えば「結婚しないの?」と聞き、志村さんは「俺の嫁は20代だ」と笑顔で返していたという。
訃報は、ニュースで知った。「本当に悔しいね」。言葉にならない感情が言外ににじんでいた。