志村けんさんの男気、優しさ…麻布十番40年来の飲み仲間が明かした“人情秘話”

 須崎正巳さんの父・清門さん(右端)とともに納涼祭りで審査員を務める志村けんさん(右から2人目)
 サイン色紙を手に志村さんを惜しむ店主の須崎正巳さん
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 新型コロナウイルスによる肺炎のため、3月29日に亡くなったタレントの志村けんさん(享年70)と40年来の飲み仲間の、和菓子屋「紀文堂」の店主・須崎正巳さん(72)が1日、デイリースポーツの取材に対して、志村さんの“人情秘話”を打ち明けた。店を構えるのは、志村さんが飲み歩くことが多かった東京・麻布十番の商店街。東日本大震災後にはダチョウ倶楽部らを引き連れて、駅前で募金活動に協力するなど、希代の喜劇人は“おとこ気”を見せたという。

 ひょうきんな志村さんの優しい人柄がしのばれた。

 須崎さんと志村さんは、今は閉店した3軒隣の喫茶店が、志村さんの行きつけだったことがきっかけで、親交を深めた。

 知り合った頃には、すでにザ・ドリフターズとして人気者だったが、当時は麻布十番在住だったことで、商店街青年会の宴会に度々参加。志村さんの自宅に招かれて飲むこともあったという。

 テレビではコメディアンに徹した志村さんの素顔を、「すごく努力家。家にはレコードがたくさん並んでいて、音楽の知識をつけてました」と紹介。「飲んでいるときに、『ドリフのコントを作るのが大変なんだ』と話してたこともあって。5人で楽しみながら、練り上げている感じでした」と“笑いの裏側”を述懐した。

 志村さんは麻布十番の納涼祭りに毎年のように顔を出して、30年ほど前には祭りのイベントで審査員を務めることもあった。東日本大震災後にはダチョウ倶楽部らを引き連れて、駅前で募金活動。志村さんは「商店街からという形で被災地に届けて」と、おとこ気を見せたという。

 須崎さんの店でも仕事現場の差し入れに、人形焼きを購入してくれていた。「あれだけのビッグな人が麻布十番を愛してくれて、地元の人間はうれしい。忙しく頑張ってきたのでゆっくり休んでほしい」。天国へ向ける感謝は尽きなかった。

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