安倍首相 マスク外し力説 緊急事態宣言について「私の飛沫が飛ばない距離で」

 安倍晋三首相は6日、新型コロナウイルスの感染拡大に備える改正特別措置法(新型コロナ特措法)に基づく緊急事態宣言について「7日にも発出する」と表明した。対象地域は東京、神奈川、埼玉、千葉、大阪、兵庫、福岡の7都府県と官邸で明らかにした。期間は5月6日まで。4月7日に宣言を出して8日から効力を発生させる方向。宣言を出すことで、対象地域の知事は不要不急の外出の自粛要請、学校や映画館などの使用停止や制限の要請・指示が可能になる。強制力を持つ都市封鎖は行えない。

 安倍首相は午後5時50分、首相官邸で記者のぶらさがりスタイルでの会見を開いて、7都府県を対象に7日に発令する緊急事態宣言について説明した。マイクの前で立ち止まると、すぐさま布マスクを外して、「私の飛沫が飛ばない距離でお話させていただきますので、マスクを取らせてもらい、お話させていただきます」と、口元からの飛沫を示すしぐさを交えて前置き。カメラに向かって“素顔”を見せてから、話を切り出した。

 これまでの新型コロナウイルス関連の会見では、原稿を映し出すプロンプターに視線を向ける回数が多いことを、野党議員やネットで批判されていた安倍首相。この日も、手元のメモに目を落とすことは度々あったが、“最重要ポイント”である「明日にでも緊急事態宣言を発出したいと考えています」という発言時には、しっかりカメラを見つめながら国民に力強く訴えた。

 108兆円の経済対策の実施と中小・小規模事業者への6兆円超の現金給付も表明。最後はスーツの胸元にメモをしまい込んで、約5分間の発言を締めくくった。ネットには「すでに遅い」「数字のマジック」などと、辛辣(しんらつ)な意見も書き込まれた。

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