NGT裁判が和解 数百万円の支払いと謝罪文提出及び出禁…他メンバー関与なし認める
AKB48グループの運営会社・AKS(現ヴァーナロッサム)が、18年12月にNGT48の元メンバーで女優の山口真帆(24)への暴行容疑で逮捕され、不起訴となった男性2人に対して損害賠償を求めた訴訟の弁論準備手続きが8日、新潟地裁で行われ、双方の間で和解が成立した。
閉廷後、ヴァーナロッサム側の代理人である遠藤和宏弁護士が報道陣の取材に対応。和解条項として、被告側から数百万円が支払われること、男性2人の連名による謝罪文が提出されたこと、さらに、NGT48の他メンバーが山口への暴行事件に関与していないことを男性2人が認め、2人が今後、48グループが関与するイベント等に参加しない“出禁処分”を受け入れたことなどを挙げた。
遠藤弁護士は和解条項について「被告らが原告に対して一定程度の金銭を支払うと言うこと、被告らが山口さんとのやりとりに関して一定程度の事実を認め、原告に対して謝罪文を提出して陳謝をしたということ、被告らが原告およびNGT48を含むAKB48の姉妹グループの名誉やイメージを毀損することを行わない、接触をしない、イベントに参加しないということ」と説明した。
加えて、男性2人と山口とのやりとりについて認めた「一定程度の事実」に関して言及した。1点目は、事件当時、山口の承諾を得ずに自宅を訪問し、少なくともドアを引っ張り合うという形で暴行したということ、2点目は、暴行事件直後に山口らから問い詰められた際、他のメンバーから山口の部屋番号を聞いたり、そそのかされて部屋に行ったなどと事実に反する発言をし、そうした録音テープが流出して誤解を招く結果になったことを挙げた。
3点目としては、NGT48の他のメンバーは本件に一切関与していなかったということ、4点目として、本件事件に関して帰宅時間を推測できるような発言をしたメンバーに対し、自宅に行くということを告げずにバスに乗っているか聞いただけで、当該メンバーは事件について何も知らなかったということ、以上の4点を男性2人が認めた上で、運営に支障をきたしたことを謝罪したという。
和解の話し合いは、暴行事実の認定や金額などを巡って難航し、この日の弁論準備手続き直前まで続いたという。提出された謝罪文はA4用紙1枚に印刷されたもので、署名や捺印等はなかった。
山口への暴行に関して、裁判所からの事実認定を得られず、不起訴の理由も明らかにならなかった。また、男性2人が裁判中で主張した、山口と自身たちの私的交流についても、事実関係があいまいなまま和解を迎えるなど、当初、裁判の意義として挙げていた「真実の追究」は結果として不十分に終わった。
それでも遠藤弁護士は、メンバーの身の潔白を証明することが第一義であったと説明。「民事裁判をしたことで、第三者委員会の聞き取りにも応じなかった被告らの主張を聞けたことで、少しでも真実には近づけた。公開での判決に至らなかったという点は、大変申し訳ないと恐縮に思っている」と話した。