たかね吹々己 元宝塚トップスター引退公演…甲状腺がん、今後は旅館の女将に

 元宝塚歌劇団雪組トップスター、たかね吹々己(ふぶき、前名・高嶺ふぶき、54)が12日、京都府立文化芸術会館で引退公演となるミュージカル「美しい人」千秋楽に出演。国の象徴とされる大きな鳥を演じた後、特別カーテンコールで2曲を歌い上げ、女優生活に別れを告げた。甲状腺がんを患い、5月に手術を受けるたかねは、美声が完ぺきな状態に戻らないとしてけじめをつけることを決断。今後は山口県で旅館の女将に転身する。

 涙はなかった。ラストに選んだ楽曲は、宝塚時代の公演「グッバイ・メリーゴーランド」から「This Moment」。魂を込めた抜群の声量で歌い上げ、美声が館内に響き渡った。

 拍手に包まれる中、中央にマイクを置いて後ろを向いたたかねは、しばらくして向き直ってマイクを拾い上げると「昭和なので。知ってます?山口百恵さん」と明るく問いかけ、笑わせた。共演者から花束を送られると、「お客さんの愛情を感じたからこその最後まで伸ばし切った声でございます」と感謝の言葉を残した。にこやかに手を振ると、客席から「ありがとう!」の声が飛んだ。

 1983年に宝塚入団。96年に雪組トップに就任し、97年に退団した。

 3月にがんが判明し、声帯をつかさどる神経が傷つく術後に、声が完ぺきには戻らない可能性が高いことを知った際は1回だけ大泣きしたという。それでも、すぐに切り替えた。医師からは「歌の仕事をしている人は声が出なくなるときまで(手術を)引き延ばす人が多い」と言われたが、「放っといて変な風に細胞が変化したら嫌。“命あってのものだね”で(元通り)歌えない、それがどうしたと。今スパッとやめた方がいいと思った」と振り返った。この日も舞台上で「引退撤回」を振られたが、「先々の予定もございますので」と即答した。

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