安倍晋三首相（６５）が１２日、公式ツイッターにシンガー・ソングライターで俳優の星野源（３９）がインスタグラムに投稿した楽曲「うちで踊ろう」の動画に合わせて、自宅と思われる場所でくつろぐ姿の“コラボ動画”をアップ。新型コロナウイルスの感染拡大防止に向けて外出自粛を呼び掛けた。動画は大きな反響を呼び、支持する声が上がる一方、「休業補償もなく、休業要請された人はこんなに心にゆとりのある時間が持てるでしょうか？」と経済対策に絡めた怒りや批判の声も殺到した。

　安倍首相の投稿動画に賛否が渦巻き、再生回数は投稿から１０時間で１０００万回を超える反響となった。

　首相はこの日午前に動画をアップ。星野が弾き語りする画面の隣で、自宅と思われる部屋のソファーに座って犬を抱いたり、カップのお茶を飲んだり、読書をしたり、リモコンを手にテレビを見たりしている。

　画面には「友達と会えない。飲み会もできない。ただ、皆さんのこうした行動によって、多くの命が確実に救われています」「過酷を極める現場で奮闘して下さっている、医療従事者の皆さんの負担の軽減につながります」とメッセージが添えられ「いつかまた、きっと、みんなが集まって笑顔で語り合える時がやってくる。その明日を生み出すために、今日はうちで…」などと協力を呼び掛けた。

　首相の投稿に対し、「安倍さんは頑張ってくれてる」「安倍さんもしっかり休養を取ってください」といった支持者の声もあったが、経済対策に絡めた怒りの声も相次いだ。「休業補償もなく、休業要請された人はこんなに心にゆとりのある時間が持てるでしょうか？」「即時の補償は一切無し、自分はこんなくつろいだ動画載せて何様のつもり？」「マスクより、議員さんの歳費をカットして、ボーナスは、国民給付金に回して下さい」といった返信が殺到した。

　また「星野源を利用するのはやめてください」「総理ご自身が投稿してるわけじゃないんだろうけど、窮地に立たされてる国民の気持ちを逆撫でするような投稿はやめていただきたい」と、この“戦略”について厳しく問いただす声もあった。

　星野の楽曲「うちで踊ろう」は３日にインスタグラムで公表され「楽器の伴奏やコーラスやダンスを重ねてくれないかな？」との呼び掛けに多くのタレントらが呼応。渡辺直美、高畑充希、石田ゆり子、大泉洋、香取慎吾らが歌唱やダンスなどでのコラボ動画を投稿するなど広がりを見せている。