松井一郎大阪市長 市民に「雨がっぱ」提供お願い 防護服不足深刻
大阪市の松井一郎市長が14日、市民に異例の呼び掛けをした。新型コロナウイルスの感染拡大により、治療現場で防護服が不足している現状を明らかにして、代替品として活用するため家庭などにある「雨がっぱ」の提供を訴えた。大阪府内の感染者は拡大傾向が続き受け入れ態勢はひっ迫。この日は新たに59人の感染を確認し、府内の検査で判明した感染者は894人となった。
松井市長が声を大にして協力を呼び掛けた。「使用してない雨がっぱがある人、雨がっぱの在庫がある人、ぜひ大阪府、大阪市に連絡をいただきたい」
新型コロナウイルスによる感染は拡大傾向が続く。医療現場はマスクや、手袋、消毒などが不足する緊急事態に陥っている。松井市長は、一部の医療機関では防護服がなく、医療従事者が代わりに「ごみ袋」をかぶって治療していると指摘。その代替品として「雨がっぱ」の提供を訴えた。
「雨がっぱを未使用の状態で持っている方はご協力いただきたい。在庫を抱えている事業者については、できれば定価で買い取りたい」。大阪府の吉村洋文知事も府民に同様の呼び掛けをした。
市健康局によると、色やタイプは不問で未使用が条件。府とも連携し、市役所や区役所、府庁出先機関で受け付ける。
大阪府では特措法に基づく外出自粛要請が出ているため、郵送でも構わないとして「現場のドクターが感染するとコロナと勝負にならない。まったく足りていないので、あるだけ連絡をほしい」とした。
異例のお願いはSNSで拡散されており、松井氏は午後9時前にツイッターを更新。「雨がっぱ、多くのみなさんから支援のご連絡頂き心より感謝致します。宜しくお願いします。」と投稿した。
また、松井市長は淀川区の市立十三市民病院を新型コロナウイルスに感染した患者の専門病院とする意向を表明し、病床の整備を急ぐとした。軽症者の受け入れ先としては14日に約400室ある大阪市内の民間ホテルで運用を始めた。