石破茂氏 安倍政権の論理に「若干の飛躍」…混迷・混乱の度が高まっている
自民党の石破茂衆院議員が17日にブログを更新し、「当面早急に為すべき」こととして、7項目をあげた。また、「ここ数日の動きを見ていると、混迷・混乱の度が高まっているように思えて心配」とも記した。
石破氏は「緊急事態の宣言を全国に広げることと、国民全てに一律10万円給付することへの変更が重なって、議論は相当な混乱状態となっています」と指摘。「緊急事態の宣言を全国に拡大したので、一世帯30万円の給付から一人10万円の所得制限のない給付に変更する、というのは論理的に若干の飛躍があり、あまりご納得をいただける論旨とは言えないのではないでしょうか」と安倍政権に注文を付けた。
その上で石破氏は「当面早急に為すべきと考えることは以下の通りです」と箇条書きで示した。
(1) 特に連休中の移動制限等の措置を徹底し、急速な感染拡大を阻止する。
(2) 感染拡大のカーブを出来るだけや緩やかなものとして重症患者の急増による医療崩壊を回避し、治療を徹底するとともに、ワクチンや対応薬開発までの時間を可能な限り稼ぐ。
(3) 医療現場に対し、マスク、防護服、ガウンなどの資材を政府が責任をもって確保し、優先的に行き渡らせるとともに、関係者の宿泊先を確保する。宿泊費は国の負担とする。
(4) 抗体検査を早急に拡大させるとともに、PCR検査は広く民間委託に任せ、行政機関であって臨床医学の場ではない保健所の関与を極力排除し、保健所の負担も軽減させる。どの地域で感染が拡大しているのか、感染者数と死亡者数のみでは把握が困難であり、抗体検査とPCRを組み合わせたサンプル調査を都道府県ごとに早急に実施する。
(5) 感染症の専門家のみならず、公衆衛生学の見地を重視した対応組織を立ち上げる。自己完結型の独立した組織であるべきだが、形だけアメリカのCDCを模倣することなく、我が国において最も機能する形を考える。
(6) 国民すべてに10万円支給するための手法(個人的にはマイナンバーの活用が望ましいと考える)を早急に確立し、第一次補正予算において実施する。
(7) 二次補正も含め、需要・供給・雇用・金融システムのすべてが危機に瀕する危険性のある「有事」であるとの認識の下、経済対策は政府の直接支出である「真水」を中心とするGDP比20%程度の規模が必要と考える。
石破氏は「当然、他にも為すべきことは多くあり、是非とも皆様からのご提案・ご指摘を頂きますようお願い致します」とした。続けて、「ここ数日の動きを見ていると、混迷・混乱の度が高まっているように思えて心配になります。選挙や政局をあまりに意識すると、必ず政策を誤ります。国民はよく見ているのであって、そこを決して軽視してはなりません」と記した。