春風亭小朝「理解を深め、それを継承」 春の褒章受章…落語楽しめる日常回復祈る
政府は2020年春の褒章受章者を28日付で発表した。受章者は660人(うち女性190人)と22団体で、発令は29日。学問や芸術分野で功績を残した人に贈られる紫綬褒章には、落語家の春風亭小朝(本名・花岡宏行)(65)、俳優の藤山直美(本名・稲垣直子)(61)、作家の篠田節子さん(64)ら計19人が選ばれた。
各地の公演が次々と中止となる中、届いた紫綬褒章の知らせ。小朝は「新型コロナウイルスの騒動で、とんでもない数の独演会が中止になりました。ご迷惑をお掛けしたお客さまに受章を少しでも喜んで頂けたら幸いです」とコメントした。
これまで落語界の活性化のため大掛かりな「大銀座落語祭」などを実施、近年は専門家を招いて若手落語家向けの伝統文化講座も開催する。受章を機に「これからは落語を含む日本の伝統芸能、文化についての理解をより深め、それを継承してまいります」と気持ちを新たにする。
今年が落語家になって50年の節目。明治の名人三遊亭円朝の大ネタ「鰍沢(かじかざわ)」に昨年本格的に挑み、菊池寛の小説を次々と落語化するなど意欲的だ。「ただ、今は私個人のことよりも、皆さまが平穏な気持ちで落語を楽しめる日々が戻ってくることを願うばかりです」と話した。