安倍首相 学校9月入学「前広に検討」コロナ禍ジャパンワールド基準へ大改革!?

 安倍晋三首相は29日の衆院予算委員会で、新型コロナウイルス感染拡大に伴い導入議論がある学校の9月入学制に関し「これくらい大きな変化がある中では、前広にさまざまな選択肢を検討したい」と述べた。28日に、宮城県の村井嘉浩知事など有志の知事17人が共同メッセージで政府に要請する考えを発表しており、国民的な議論に及びそうだ。

 緊急事態宣言解除が難しい情勢で、ゴールデンウィーク明けの学校再開への判断が迫られる中、“9月入学”の議論が大きな渦を起こしそうだ。

 安倍首相はこの日、9月入学制について「これくらい大きな変化がある中では、前広にさまざまな選択肢を検討したい」と含みを持った答弁を行った。

 萩生田光一文部科学相は「広く国民の間で認識が共有できるのであれば、大きな選択肢の一つだと思っている」と表明しつつ、国と地方が共に責任を持つべきと強調した。

 9月入学制については、4月中旬から高校生がオンラインで署名を募るなどした。27日には宮城県の村井嘉浩知事が記者会見で9月入学を提言。翌28日に有志の若手知事17人が開いたオンラインによる緊急会合で共同メッセージを出した。小池百合子東京都知事も賛同する声を挙げている。

 過去には東京大学が2012年、全面移行を検討した。世界では欧米、中国など9月に新学期を迎えるのが主流で、4月に新学期を迎える国は日本やインド、パナマなど7カ国と少数派。そのために、世界各国の優秀な留学生が日本を敬遠する傾向があるため、グローバル化を推進する方策だったが断念した。

 一方で、日本では会計年度が4月に始まるため、社会制度全体が4月スタートを標準化している。夏の甲子園や各部活動の大会などの大幅な見直しが必要となるなど、デメリットも多い。首相も「『子どもたちや保護者はもとより、社会全体に大きな影響を及ぼすから慎重に』との意見もあることは十分に承知している」と慎重論にも言及した。

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