DEZOLVE ネット世代の申し子 Jフュージョン4人組 脱カテゴリーの新音楽

 メンバー全員が20代ながら、若手の中でも別格の実力を持つJフュージョンの4人組グループ「DEZOLVE(ディゾルブ)」が、メジャー3rd(通算では5th)アルバム「Frontiers」を今年、リリースした。キーボードの友田ジュン(25)とギターの北川翔也(24)がデイリースポーツに、DEZOLVEが紡ぎ出すJフュージョンの未来形を語る。

 DEZOLVEのメンバーは友田、北川とドラムスの山本真央樹(28)、ベースの小栢伸五(26)の4人。山本の父親は、ハードロックバンド「バウワウ」のギタリストとして世界的に知られる山本恭司(63)だ。

 約6年前、山本と小栢がセッションで意気投合し、音楽学校「メーザーハウス」で小栢の1年後輩だった友田を誘って2014年に結成。メンバーが「同年代で一番うまい」(友田)と評価していた北川は当時、早稲田大学政経学部の学生だったが、「音楽に関わる仕事に就きたい」と考えていたこともあり、翌15年に加わった。

 バンド名の「DEZOLVE」は造語で、「ジャンルを超えて溶け合っていく」という意味が込められている。造語したのは「エゴサーチで引っかかるため」(北川)という辺り、物心ついた時からインターネットがあった世代ならではの考え方だろう。

 フュージョンにカテゴライズされているものの、メンバーが好んだり関わっていたりする音楽はジャズ、フュージョンはもとよりロック、ポップス、ゲーム音楽、アニメ音楽、ミュージカルなどさまざま。友田が「自分たちは新しい音楽を作っていきたい。カテゴリーにとらわれずに、好きな音楽性を詰め込んでいる」と説明するように、それらから得たインスピレーションを昇華し、独自のセンスをまとったサウンドを生み出してきた。

 全員が作曲できるのもDEZOLVEの強みだ。新作でも全員が複数の曲を書いており、北川は「それぞれが曲を書くけど、好きな音楽が全然違うので、それがこのバンドの面白さにつながっている」と自己分析する。

 新作「Frontiers」は、毎年アルバムを発表してきたDEZOLVEにとって、5枚目にして「バンド史上最もポップでディープ」(北川)な作品に仕上がった。

 親交のあるシンガー・ソングライター、やなぎなぎを迎えたバンド史上初のボーカル曲「re:fruition」、米国の最先端のビートを用いた「Wolf」、80年代をほうふつさせる「Sky Dream」など楽曲は多彩で、北川は「色んな要素が詰め込まれて、聴き飽きなくて聴きやすい」と自信を漂わせる。

 タイトルは「境界」の意で、アルバムのコンセプトは「色んな人に聴いてほしいということで、色んな境界を取っ払っていこう」(北川)というもの。DEZOLVEは境界を越え、Jフュージョンの未来を指し示す。

 ◆DEZOLVE 山本真央樹(やまもと・まおき=ドラムス)1992年4月5日生まれ、埼玉県出身。小栢伸五(おがや・しんご=ベース)93年11月13日生まれ、鳥取県出身。友田ジュン(ともだ・じゅん=キーボード)94年11月10日生まれ、熊本県出身。北川翔也(きたがわ・しょうや=ギター)96年1月11日生まれ、東京都出身。2014年、山本、小栢、友田で結成。15年、北川加入。16年、1stアルバム「DEZOLVE」発表。18年、メジャーデビューアルバム「PORTRAY」発表。

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