【中田宏の先憂後楽】小池都知事は関西人だけど「ちゃきちゃきの江戸っ子」
コロナ時代の今さら聞けない疑問を、衆議院議員と横浜市長を務めた中田宏氏(55)が解説する連載「中田宏の先憂後楽」。最終回のテーマは「小池百合子都知事」。日本新党時代は小池知事の秘書も務めていた中田氏ならではの“人間・小池百合子”の分析や、知事として推し進めようとしている「9月入学」問題についても語ります。
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92年、中田氏は日本新党の結党に参加し、同年の参議院選挙で政界入りを果たした小池百合子氏(67)の初代秘書を務めた。中田氏も翌93年の衆議院選挙で当選するため、期間は1年ほどだったが、近くで「政治家・小池百合子」の素顔に触れてきた。コロナ対策で脚光を浴びる現在の都知事は、どのような人物なのだろう。
「ちゃきちゃきしていて、関西出身(兵庫生まれ)だけど江戸っ子。パンパンパンと仕切る。鍋を食べに行くと鍋奉行になるタイプです。小池さんが材料を入れて、タイミングを見計らって全員に分けていく。都庁でも『あなたはこれをして』『あなたはこれ』って仕切っている感じが出ているよね」
「先生」と呼ばれることを嫌い、部屋には罰金箱が作られていたという。なぜなのか。
「『先生』と呼ばれることへの警戒感。『先生』と呼ぶ側と呼ばれる側には上下関係ができて、情報遮断になる。いい情報は入ってくるけど、耳障りなことは入ってこない。それを警戒していた。1回500円くらいだったかな(笑)」
それは政界関係者や経済人と交流する中で、距離感を縮める一助となった。
「『先生』のままなのか、フラットな関係なのかで情報の入り方が違う。大事なのは『実は…』って情報があるかないか。情報はラインから入ってくるものだけど、正規ライン1本しかないと弱いし、間違いやすい。複数のラインがあることが重要で、それを持てるかどうかは『実は…』から始まるんだよね」
◆中田宏(なかだ・ひろし)1964年9月20日生まれ、神奈川県横浜市出身。青山学院大を卒業後、松下政経塾に入塾。92年、日本新党の結党に参加。細川護煕氏や小池百合子氏の秘書を担当。93年、衆院議員に初当選。通算4期務めた。02年から2期連続で横浜市長。財政改革を断行。「日本の構造研究所」代表。連載タイトル「先憂後楽」は「リーダー論です。次の世代が楽になるように先代はやっておけ、ということです」。