大阪府の吉村洋文知事（４４）が７日、大阪市中央区の府庁で会見を行い、西村康稔経済再生担当相（新型コロナ対策担当相＝５７）が６日、吉村知事の意見に対して緊急事態措置の解除基準を「勘違いしている」と不快感を示したことについて「勘違いしているわけではありません。法の立て付けは理解しています」と反論した。一方で、６日夜に双方がツイッターで歩み寄り、電話でも話し合いがもたれたことで“バトル”は燃え上がる前に鎮火に向かった。

　西村氏は６日の記者会見で、新型コロナウイルス特措法に基づく緊急事態措置の解除基準を国が示さないと吉村氏が非難したことに対し「仕組みを勘違いしている。解除は知事の権限」と反論し、不快感を示した。

　吉村氏は同日夜、ツイッターで、西村氏の「解除は知事の権限」を肯定した上で「休業要請の解除基準を国にして示して欲しいという思いも意図もありません。ただ、緊急事態宣言（基本対処方針含む）が全ての土台なので、延長するなら出口戦略も示して頂きたかったという思いです」と真意を説明し、「今後は発信に気をつけます。ご迷惑おかけしました」と述べた。

　７日の会見では「決して勘違いしているわけではありません。法の立て付けは理解していますので」と訴えた。西村氏の発言について「解除は知事の裁量だと大臣が明確にしてくれた」と指摘。特措法は国の基本的対処方針が知事の権限を制限する仕組みだとして「知事の出口戦略に国は口をはさまないということが明確になった。大阪の責任で進める」と強調した。

　吉村氏はその後、日本テレビ系「情報ライブ　ミヤネ屋」で、西村氏と電話したと明かし、「これからも連携しながらやっていきたい」と話した。

　西村氏も６日深夜、吉村氏のツイートをリツイートし、連携姿勢を明言。７日の会見では吉村氏との電話内容を「互いのちょっとした言葉のあや、誤解があったので、それを解いた」と説明し、共に“バトル”を収拾に向かわせていた。