沢田研二、志村さんの遺志継ぐ 「キネマの神様」代役主演「やり遂げる覚悟です」
初主演映画「キネマの神様」(2021年公開予定)のクランクイン前に新型コロナウイルスに感染し、3月29日に死去した志村けんさん(享年70)の代役を歌手の沢田研二(71)が務めることが15日、分かった。2人はかつて同じ事務所に所属し仲が良く「8時だョ!全員集合」「ドリフ大爆笑」などで共演。志村さんの遺志を継ぎ、14年ぶりの映画出演を決めたジュリーは「志村さんの、お気持ちを抱き締め、やり遂げる覚悟です」と短い言葉に決意を込めた。
“先輩”ジュリーが志村さんの遺志を継ぐ。60~70年代に同じ事務所に所属し、多くのコントで共演。2000年代に入ってからも文化放送「沢田研二・志村けんのジュリけん」で約2年半に渡って60分のトーク番組を続けてきたほど仲がいい間柄だった。
映画出演は「幸福のスイッチ」(06年公開)以来、14年ぶり。メガホンを執る山田洋次監督とは「男はつらいよ 花も嵐も寅次郎」(82年公開)以来、38年ぶりのタッグとなる。
映画は3月1日にクランクイン。無類のギャンブル好きで家族に見放されたダメ親父・ゴウが、かつて映画撮影所で働いていた日々と現在を交錯させる物語で、ダブル主演の志村さんと菅田将暉(27)が2人1役を演じるはずだった。
志村さんが登場する過去パートは4月に撮影を始める予定だったが、3月下旬に志村さんの新型コロナウイルスによる肺炎が悪化。降板が発表された3日後の29日に帰らぬ人となった。
緊急事態宣言の発出により撮影もストップ。代役のキャスティングを模索する中で、昭和のスターらしい骨太なたたずまいを持ち、志村さんとのゆかりも深い沢田にバトンが移った。プレッシャーのかかる役柄だが、オファーを受けた沢田は即決。「志村さんの、お気持ちを抱き締め、やり遂げる覚悟です」とコメントした。
いまだ撮影再開の時期は調整が続けられている。公開日も当初の今年12月から21年予定に変更となった。山田監督は「志村さんとは違うゴウちゃん。沢田研二さんなら、別なゴウちゃんの魅力を引き出してくれると確信しています」と話しているという。