内田樹氏 「政権はなぜ国民が嫌がることをする」の問いに…国民に生じる倒錯的心理
「日本辺境論」など数多くの著作がある思想家で神戸女学院大学名誉教授の内田樹氏が16日、ツイッターに新規投稿。反対の声が強い検察庁法改正案を政権がなぜ強行しようとするのか、との問いに答えた。国民が嫌がることをすることにより、国民の側に倒錯的心理が生じることを指摘している。
内田教授は「どうしてこんなに国民的反対があるのに政権は検察庁法改正を強行するのでしょう?とさきほど訊かれたので、こうお答えしました」と投稿。「国民が喜ぶ政策を、ていねいに議論して、すみやかに実施すると、国民はそのような『よい』統治者に対しては畏怖の念を抱かないようになります」と心理的側面を解説。
「逆に、国民が反対する政策を、議論もせずに、怒号のうちに強行採決するようなことを繰り返しているとそのうちに国民も役人も与党の議員たちも『こんなに理不尽なことができる政治家には、何かわれわれの想像もつかないすごい力があるに違いない』と推論するようになります」と強行採決を繰り返すことによる壮大な勘違いが生まれると指摘した。
さらに内田教授は「彼らのうちの相当数は『なんであれ力のあるものに従うのが生存戦略上最も合理的である』と信じています。だから、国民が嫌がることをすればするほど国民の中に熱狂的な支持者が生まれるという倒錯が起きる、とご説明しました」と投稿した。