小泉今日子 文化芸術支援を訴え「こういう活動にある種の力強さ感じる」
女優・小泉今日子(54)が22日、新型コロナウイルスの感染拡大で打撃を受けている演劇、ミニシアター、ライブハウスの3文化を救う「文化芸術復興基金」の設立を呼びかけるシンポジウムのゲストパネラーとして、女優の渡辺えり(65)らと出席した。
深緑のジャケットにマスク姿で登場すると、「女優としても舞台に立ちますが、制作者として演劇に関わって、今回こういうことですが、3つの文化が手をつないでこういう活動をしているということにある種の力強さを感じています」と話した。さらに「現状、9月10月11月まで劇場をキャンセルする人が増えていて、お客さんを入れるというメドが立ってないじゃないですか。演劇を作るためには劇場費からスタッフのギャランティーから、美術のセットも、ものすごくお金がかかって…。演劇のチケットは映画とかに比べたら高いけど、ほとんど黒(字)にならない。でも好きでやっている状況」と訴えた。
小泉は今月10日から、賭けマージャン報道でこの日辞職を発表した黒川弘務検事長の定年延長問題に伴う検察庁法改正案に反対するツイッターに投稿。多くの著名人も参加した「♯検察庁法改正案に抗議します」を付けてつぶやく抗議行動の象徴的存在となった。同法案は結局、今国会成立を見送られた。
小泉は、2018年6月に女優業の休止を発表。舞台の制作などプロデューサー業に注力するとした上で、2020年以降は「舞台などから復帰できたら」と構想を明かしていた。
日本劇作家協会会長を務める渡辺はこの日午後、衆議院第一議員会館で、同基金設立の要望書を、文化庁など3省庁の関係者に手渡した。
東京都による自粛緩和に向けた段階別の「ロードマップ」では、舞台公演が再開された場合、集客人数に制限が設けられる可能性があり、渡辺は「(集客が)25%だと大赤字になる。お金(出演料)が払えず、一人芝居しかできないし、若い人材の育成ができなくなる」と吐露した。