吉田明世 局アナ時代からの変化“仕事人間”から結婚、出産経て「幸せ」再考
元TBSのフリーアナウンサー・吉田明世(32)がこのほど、デイリースポーツのオンライン取材に応じた。現在はTOKYO FM「THE TRAD」のパーソナリティーを担当し、幼い頃からラジオと共に生活してきたラジオ好き。一方で局アナ時代は生放送を週6でこなす仕事人だった。そんな吉田も結婚や出産を経て、プライベートな時間も大切にする女性へと“変化”。新しい自分への期待と挑戦について、殻にこもっていた自分から「脱却したい」などと語った。
フリーになって1年と約4カ月がたつ。環境の変化や心境の変化など、さまざまな経験をしてきた。
2011年、TBSに入社し、バラエティー番組やワイドショーで人気を博した。先輩に「吉田はワーカーホリック気味だよね。ちょっと働き過ぎ」と言われるほどパワフルで、多いときは週6本の生放送を担当。「仕事が忙しければ忙しいほど充実していたし幸せだった」と私生活は二の次だった。
その後、16年10月に一般男性と結婚し、18年5月に女児を出産。「幸せ」の見方を変える大きな転機となった。19年1月にTBSを退社。現在は「今の成長は今しか見られないのでより自分のプライベートを大切にできるようになったという変化は感じています」と今月2歳になった娘との生活を充実させている。
レギュラー出演する「THE TRAD」は、よりコアな音楽ファンを楽しませるラジオ番組。共演の稲垣吾郎(46)や、OKAMOTO’Sのハマ・オカモト(29)から、さまざまな知識を得ながら取り組んでいる。
音楽好きな父の影響でラジオは幼い頃から身近な存在だった。「吉田家の廊下にスピーカーが置いてありまして、毎朝6時半くらいになると目覚まし代わりに流れていた」。吉田が今、ラジオの世界で奮闘していることを1番喜んでいるのは当然その父だという。
スマートフォンのアプリでラジオが聴ける現代。お年玉でコンポを買い、両親の車でラジオを聞くことが主流だった吉田も、今は常にツイッター片手に番組を進行する。「元々、ラジオとリスナーさんって、テレビと視聴者よりも距離が近いなと感じていましたが、よりその近さは実感できます」。時代の変化にも前向きだ。
局アナ時代、産休を見据え、担当していた生放送を降板したときのこと。時間に余裕ができた吉田は、なんと「保育士」の免許を取得。さらに先日は「絵本専門士」にも合格した。
「今までは自分がやりたいとか、自分のために働いてしまってましたが、これからは一人の大人として、仕事を通して世の中のために何ができるか、そういうことを考えていきたいです」
2月に予定していた絵本の読み聞かせイベントは新型コロナの影響で中止に。だが「絵本を作ったり、みんなが笑顔になれる仕事ができたら」と挑戦を続けるつもりでいる。
今年1月に長かった髪をバッサリ切った。「アナウンサーのイメージとかそういうのを“変えたい”って思いで切った部分もあります」と理由を明かす。
「局アナ時代は『会社員なんだから』『アナウンサーなんだから』、娘が生まれてからは『母親だから』『良い母親でいなきゃ』と、そういう殻にこもってしまいました。いつもそこから一歩外に出る勇気とか枠からはみ出す勇気を持てない自分がいたので、そこから脱却したいという思いです」
新たな“変化”を求めて前進する姿が、リスナーや視聴者の心をつかんでいる。