三原議員、政府の国民監視利用を危惧する町山氏の「大喜び」表現に「不謹慎」と苦言
自民党がネット上の誹謗中傷対策を検討するために立ち上げたプロジェクトチーム(PT)の座長を務める三原じゅん子参議院議員が27日、ツイッターに新規投稿。「#木村花さんを政府の国民監視に利用するな」というタグを付け、この動きに危機感を示す映画評論家・町山智浩氏の言葉に対して「不謹慎」と苦言を呈した。
プロレスラー・木村花さんがネット上で誹謗中傷を受けていた問題を受け、政府がSNSの中傷投稿者の特定を容易にする制度改正の議論を本格化させる方針を示したことに対し、町山氏は26日夜に更新したツイッターで「高市早苗総務大臣と三原じゅん子議員が大喜びでこれを推進していることに危機感を持った方がいいと思います」とつづった。
この投稿に対し、三原氏は「とても不幸な痛ましい木村花さんの話に伴う件について、大喜びという表現は如何なものでしょうか。ご家族やファンに対しても失礼では?不謹慎な言葉だと思います」と批判した。
リプ欄には「三原議員らがこれを機会として言論統制しようとしているなら問題だ」とすれば批判に当たるが、「大喜び」などと書くのは「必要ない誹謗中傷表現」といった指摘も。一方で「木村花さんを追い詰めたのはフジテレビの番組とその視聴者である。という点を無視してネット全体に規制をかけようとするから疑われるのではないでしょうか?」「年間15000人の自殺者がいるのに、そっちの対策をやらず、法案を作るとかあり得ないわ」などといった意見もあった。
三原氏は25日のツイッター上で、「愛知、広島トリエンナーレ」なども“芸術に名を借りた誹謗中傷”とする趣旨のリプに対して「本当ですね」と同意しており、町山氏は「SNSの誹謗中傷の発信者特定の目的はあいちトリエンナーレの展示のようなアート表現の規制だと三原じゅん子議員」と問題視。
その後も、同氏は「政府が個人情報に介在するのだけは避けなければ」「(編集注・政権側が)自分たちに向けられた批判や風刺を誹謗中傷として封殺するのではないか。そう危惧せざるを得ません」などと危機感を持って投稿を続けている。