吉村知事 「大阪コロナ追跡システム」29日から運用…第2波の発生を前提に
吉村洋文大阪府知事が27日、大阪府庁で会見し、新型コロナウイルス感染拡大を封じ込めるための独自システム「大阪コロナ追跡システム」について概要を説明した。今月29日から運用開始するとし、まずは「緊急事態宣言下で休業要請をお願いした施設」としている。
吉村知事は同システムの意義について「緊急事態宣言は解除されましたがウイルスは市中にある。感染症対策もしながら社会経済も徐々に活動させる。ワクチンが出来上がるまでは共存していく」とウイルスとの共存を図ると説明。
そのためには「どこかでクラスターが発生する、陽性者が発生することを前提にした対応をする必要がある」と備えておくことが肝心であるとし、「大事なのはクラスターが発生した時に押さえ込むことと、それを追跡できる仕組み」と訴えた。
その上で吉村知事は「日本は個人の情報をウイルス感染拡大防止より重視する法体系になっている」と法律家としての一面ものぞかせ、「個人のプライバシーに配慮しながら感染拡大を防ぐため」として運用してくという。
吉村知事は実際の運用について「不特定多数の人が集まる施設、あるいはイベントを対象にして府のQRコードを発行する。参加者は読み込んでもらって、メールアドレスを打ち込んでもらえればそこで陽性者が発生した時には注意喚起のお知らせをする。もうひとつ、もしそこでクラスターが発生したらより厳密なお知らせをする。大きくこういう仕組みです」と説明した。
現状ではすべての施設が対象ではないとし、緊急宣言下において休業要請をお願いした施設から「任意でお願いする」としている。「飲食店に協力してほしい」と述べ、7月に運用状況を見て改善点を探るという。
吉村知事は「メールアドレスの情報は大阪府だけが持ちます」とし、民間事業者に委託することはないと強調。「あくまでもメールアドレスだけなので個人名とか、電話番号とか、個人とひもつけることができる情報は大阪府として持たない。メールアドレスだけです」と話した。