大阪の夜の店 接客は横並びで…ライブハウスは着席、出演者は原則マスク
吉村洋文大阪府の知事は28日、府の新型コロナウイルス対策本部会議後に府庁で会見を開き、キャバレーやスナック、バーなど接待を伴う飲食店とライブハウス、スポーツクラブなど、過去にクラスター(感染者集団)が発生した施設への府の休業要請を6月1日午前0時に解除すると発表。すべての業種で営業が可能になる。
大阪府が29日に導入するQRコードを利用した感染者追跡システム「大阪コロナ追跡システム」の利用を要請するほか、政府や業界団体が感染予防ガイドラインを示していない接待を伴う飲食店、ライブハウスには大阪独自のガイドラインを作成。7月31日までの暫定で、事業者の順守を求めた。
接待を伴う飲食店については対面ではなく横並びでひとつ空けての着席や、身体的な接触を避けること、接客する従業員の交代を最小限にすることなどを感染防止の指針に定めた。ナイトクラブのカラオケ歌唱は、対人距離を最低1メートル確保。さらにマスクやフェイスガードの着用を求めるとした。
ライブハウスについても着席とし、飛沫感染防止のため、ステージと客席の間は2メートル以上空けるか、透明のアクリル板かビニールカーテンで覆うことを要請する。出演者についても、表現上困難な場合を除きマスク着用が原則。出演者間で、十分な距離を確保することを条件とした。
吉村知事は会見で「着席のライブハウスってどういうことやねん!と思う方もいるでしょう」とひとりツッコミ。事業者や利用客にとって、違和感が残るガイドラインであることは認めた。その上で「接客業についても、1席1席空けるなんて接客にならないと意見もあるが、あるべき形に戻していくためトライしてもらいたい」と理解を求めた。
政府は接待を伴う飲食店について、来月中旬をめどにガイドラインを作成するとしたが、府独自の線引きで営業再開を決めた。「自粛せよというのは簡単。公務員は困らないが、生活の糧にしている人もいる。経済が奪われて命が奪われる人もいる。コロナを恐れながらも、事業を再開する段階を徐々に踏んでいきたい」と社会経済活動を取り戻すための措置とした。