弁護人 マスク着用せず審理遅延 裁判長の要請に応じず…2時間半
新型コロナウイルス特措法に基づく緊急事態宣言の解除を受け、東京地裁で2日、約3カ月ぶりに裁判員裁判が開かれた。裁判官や裁判員、検察官は、いずれもマスクを着用していたが、2人の弁護人が永渕健一裁判長の要請に応じず着用しなかったため、審理は予定より約2時間半遅れての開始となった。
午前11時すぎ、冒頭手続きに入る前、マスク着用を求めた永渕裁判長に対し、弁護人は「全力で弁護するためには、マスクをしたままでは難しい」と発言。手続きは中断された。
公判は午後1時半ごろに再開。永渕裁判長は「最低2メートルのソーシャルディスタンス(社会的距離)を保っていただく」とした上で、弁護人がマスクを着用しないことを認めた。
弁護人は公判前整理手続きで「マスクをしなければならないのなら、この段階で公判を開くのは時期尚早だ」との考えを伝えていたという。
感染防止のため、地裁で最も広い法廷が使われ、裁判官や裁判員の席の間にアクリル板を置いたり、傍聴席の間隔を空けたりする対応を取った。