渡辺三冠 “逆襲”誓う 16手連続王手ラッシュ見せるも「終盤はいろいろあって」
将棋の藤井聡太七段(17)が、渡辺明三冠(36=棋聖、棋王、王将)に157手で勝利。屋敷伸之九段(48)の記録を4日更新した史上最年少で臨んだ初のタイトル戦を、幸先良く白星でスタートした。タイトル戦の“定石”である和服姿ではなくスーツ姿で対局に臨んだ藤井七段は、現役最強とも称される渡辺三冠とがっぷり四つの勝負を展開。最後は自慢の終盤力をいかんなく発揮した。第2局は28日に同所で行われる。
熱戦の末に敗れた渡辺三冠は、終局後のインタビューでも言葉に力がなかった。劣勢となった最終盤、16手連続の王手ラッシュと執念を見せたが、藤井七段の落ち着いた差し回しの前に届かず。「終盤はいろいろあって、ちょっと分からなかったですね…」とつぶやくように話した。
藤井七段とは昨年2月、早指し戦の朝日杯将棋オープン決勝以来の2度目の対局で、連敗となった。得意とする矢倉戦での敗戦だが、「今回、長い持ち時間(の対局)で初めて指して、これを次以降に対策として生かしていければ」と必死に前を向いた。
自身も藤井七段と同じく中学生プロ棋士で、九段の最年少昇段記録も誇る渡辺三冠。“天才対決”の第一ラウンドを落としたが、28日の第2局に向けては「2局目からは手番が決まっているので、より準備して臨みたい」と逆襲を誓った。