繁昌亭が7月1日再開 大阪の寄席、客席は半分の102席に 有料ライブ配信も開始
上方落語協会の笑福亭仁智会長(67)が15日、大阪市内で会見を開き、天満天神繁昌亭の昼・夜席の公演を、7月1日から再開すると発表した。
新型コロナウイルス感染防止対策のため、通常216席の座席を最大102席まで減らすほか、昼席は通常8席の演目を6席、約2時間の日替わり公演に。新たな試みとして「オンライン繁昌亭 昼席公演」を開始。昼席をライブ動画配信サービスで有料生配信する。
繁昌亭では、3月3日から上方落語協会の主催公演を自粛。予定していた300公演が中止になった。仁智会長は「お客さんに安心して笑っていただきたい。その安心を確保するために、万全の対策を整えようと準備してきた」と、感染防止対策に尽力した。観客にもマスクの着用を義務づけるほか、検温も実施する。
座席数の減少などで、苦しい運営は続く。仁智会長は「100席では協会を維持している状態ではないが、開けなあかん。ピンチをチャンスにと思って戻ってきた。こういう状況だからできることもある」と前向きだ。使用不可の席に、1カ月2000円で自身の顔写真を飾れる応援キャンペーンも開始。ビジネスチャンスを探る。
会長就任後、地震、台風、そしてコロナ禍に見舞われるなど災難続き。「おもしろいことも言えんようになります…」と嘆く仁智会長は、11、12日に東京・末広亭で、久々の高座に。「ほんまに楽しかった。お客さんと生で向き合ってしゃべるのが一番」と、落語が持つ力を再認識した。
26日からは地元の関係者などを招いたプレ公演を行い、繁昌亭のコロナ対策をシミュレーションする。「なんとか再開して、いずれは元通りになればと思っている。どうなるかわからないが“待ってました!”という雰囲気になれば」と、仁智会長は再開を待ち望んでいる。