吉村知事 “大阪産”のワクチン、30日から治験開始と発表「命を守るものに」
大阪府の吉村洋文知事が17日、大阪府庁で定例会見を開き、「オール大阪」体制で大阪大学など協定を結び、開発を進めてきた新型コロナウイルスのワクチンについて、6月30日から人への治験を開始することが決まったと発表した。まずは医療関係者への投与となる。
吉村知事は「オール大阪でやっていこうという協定を結んでやっていこう、と進めてまいりました。動物実験等を経て、阪大(大阪大学)のワクチンを市大(大阪市立大学)で治験を(スタート)する。6月30日に現実に人に投与する。最初は医療関係者になると思う」と発表。
世界でワクチンの開発が進む中、「新型コロナとの闘いは、治療薬とワクチンが非常に重要になってきます。全国初の第一歩を大阪で踏み出すことができた。なんとかこれを量産して、実用化して、府民の皆さん、国民の皆さんの命を守れるものに実現したい」と述べた。
「オール大阪」のワクチンは、大阪府、大阪市、大阪大学、大阪市立大学など大阪府内のあらゆる医療機関、関係機関が連携し、開発を進めてきた。吉村知事の説明によると、「DNAワクチン」と呼ぶもので、コロナウイルスを弱らせるものではなく、DNAを組み込んだワクチンで、「非常に安全な部類に入る」ものという。
まずは6月30日に市大の医療従事者20~30人に投与し、安全性を確認した上で、10月には対象者を数百人規模に拡大し、「今年中には10~20万単位での製造が可能になる」とした。実用化には国の認可が必要で、来年春から秋での実用化を目指しており、「なんとか国産のワクチンを開発して日本におけるウイルスとの闘いを大きく反転攻勢させていきたい」と話した。