日本スパコン9年ぶり1位 理研「富岳」が世界初4冠 蓮舫氏「努力に敬意を表する」
世界のスーパーコンピューターの性能を比べる専門家のプロジェクト「TOP500」は22日、最新の計算速度ランキングを発表し、理化学研究所計算科学研究センター(神戸市)の新型機「富岳」が世界一に輝いた。日本勢の1位は昨年に運用を終えた理研の「京」が2011年に達成して以来9年ぶり。理研によると、富岳はその他3部門でも1位となり世界初の“4冠”達成となった。
計算速度は毎秒41京5530兆回で、昨年11月の前回ランキングで1位だった米オークリッジ国立研究所の「サミット」(毎秒14京8600兆回)の約2・8倍の高性能と認められ、サミットを2位に退けた。
その他3部門は、産業利用でよく用いる計算手法の性能、人工知能(AI)の分野で使う計算の性能、ビッグデータ解析の指標となる解析性能。
理研計算科学研究センターの松岡聡センター長は「主要なスパコンの諸元(性能)で突出して世界最高性能であると示せた。新型コロナウイルスに代表される多くの困難な社会問題を解決していくだろう」との談話を公表した。
旧民主党政権の事業仕分けでスパコン開発を巡り「2位じゃ駄目なんでしょうか」と発言した立憲民主党の蓮舫副代表は、文科省と理研が「前向きな改革に取り組んで来られた努力に敬意を表する」と共同通信に文書で回答した。自身の発言については「速度が世界一になったとしても、使い勝手が悪ければ使われない。スピードばかりにこだわる理由を問うた」と説明した。