2度目のタイトル挑戦決めた藤井七段 効いた6七桂の妙手…西川和宏六段が分析
将棋の藤井聡太七段(17)が23日、東京・将棋会館で行われた第61期王位戦挑戦者決定戦で、永瀬拓矢二冠(27=叡王・王座)に127手で勝利。最年少タイトル獲得をかけて現在挑戦中の第91期ヒューリック杯棋聖戦に続き、2度目のタイトル挑戦を決めた。西川和宏六段(34)が対局を分析した。
◇ ◇
6月4日の棋聖戦決勝トーナメント挑戦者決定戦以来の対決となりましたが、見応えのある将棋となりました。
角かわりからの早操り銀でした。本来、早繰り銀は永瀬二冠の得意とする戦法です。その相手が得意とする戦法で臨む辺り、藤井七段は堂々としていました。
藤井七段が35手目に4六角を打つまでプロ入り最長となる1時間36分の長考もあり、序盤はじりじりとした将棋でした。
その中で最初に注目した指し手は、58手目に永瀬二冠が3八歩と手裏剣を放った局面です。放っておけばと金ができ、取れば守りの金が玉から離れますが、藤井七段は同金と受け、その後4八金としました。また、75手目の6七桂も妙手で、これが後の局面で効いてきたと思います。
これで、現在、17歳の藤井七段は現在戦っている棋聖戦に続き、王位戦への挑戦も決まりました。46歳で同タイトルを最年長で獲得した木村一基王位に、17歳の藤井七段が挑戦する形となります。年齢差はありますが、木村王位は若々しい将棋を指します。楽しみな七番勝負となると思います。