藤井七段、2連勝で最年少タイトル獲得に王手…棋聖戦第2局で渡辺三冠に完勝

和装で対局に臨む藤井聡太七段=東京・千駄ヶ谷のの将棋会館(日本将棋連盟提供)
和装で渡辺明棋聖(左)との対局に臨む藤井聡太七段=東京・千駄ヶ谷の将棋会館(日本将棋連盟提供)
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 将棋の藤井聡太七段(17)が、渡辺明三冠(36=棋聖、棋王、王将)に挑戦する第91期ヒューリック杯棋聖戦五番勝負第2局が28日、東京・千駄ヶ谷の将棋会館で指され、藤井七段が90手で勝利。2連勝とし、史上最年少でのタイトル獲得に王手をかけた。

 第1局で17歳10カ月20日の史上最年少タイトル挑戦を達成した藤井七段。この日はタイトル戦で初めて和服を着用して対局に臨んだ。第1局に続き、戦型は相矢倉に。午前中から駒がぶつかり合う急戦の展開も、「やってみたい作戦だった」という藤井七段は、昼食休憩後から積極的な差し回しで着実にリードを広げ、最後は大差で押し切った。

 卑劣な犯罪に巻き込まれながらも、勝負への影響は見せなかった。今月24日、地元の愛知県瀬戸市役所に、藤井七段への殺害予告電話が寄せられた。藤井七段は26日、東京から警護付きの移動で帰宅し、27日に再び警護付きで東京入り。タイトル戦の緊張感も合わせ、精神的な負担は想像を絶するものがあったはずだが、涼しい顔で吹き飛ばしてみせた。

 現役最強棋士の1人である渡辺三冠に連勝し、棋聖位獲得に王手を掛けた。これまでの最年少タイトル獲得は、1990年8月に屋敷伸之九段(48=当時四段)が第56期棋聖戦で達成した18歳6カ月。7月9日に東京・都市センターホテルで行われる第3局にも勝利すれば、17歳11カ月と従来の記録を半年以上上回る空前絶後の快挙となる。

 目前に迫ったタイトル獲得にも「五番勝負は5局で1つの勝負だと思っているので…。次も今までと変わらない気持ちで臨めればと思っています」と淡々と語った。眼前の難敵にも、盤外のトラブルにも鮮やかに打ち勝った藤井七段。新たな伝説の1ページが開かれる時は、確実に近づいている。

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