藤井七段、木村王位を圧倒し王位戦第1局勝利…「受け師」に受ける余裕与えず
将棋の藤井聡太七段(17)が、木村一基王位(47)に挑戦する第61期王位戦七番勝負第1局が2日目が2日、愛知県豊橋市の「ホテルアークリッシュ豊橋」で指され、藤井七段が95手で勝利。地元・愛知県での対局を制し、“ダブルタイトル戦”の初戦を幸先良く飾った。
さまざまな“初物づくし”も吹き飛ばし、藤井七段が鬼神のごとき強さで第1局をものにした。1日目の昼食休憩前から駒がぶつかり、2日目の午前中からすでに終盤戦に入るほどの、流れの速い一戦。対局前日のオンライン前夜祭で「一手一手最善を追求して指したい」と宣言した通り、激しい流れの中でも最善の手を連発、「千駄ヶ谷の受け師」の異名を取る木村王位に、受ける猶予を与えず即詰みに切って捨てた。
前日、封じ手の入った封筒にサインをする際には、体の脇に置いてもたれかかるための脇息(きょうそく)に封筒を乗せて書くという“異例”の形を見せるなど、盤外では初々しさも残した。だが、盤上では一分の隙も見せなかった。
1日目の夕方には、すでに優位との評判だった。木村王位の封じ手も想定通りだったのか、2日目も迷わず攻勢に出た。受けにも強さを誇る藤井七段だが、今局では一度も自玉を受ける場面もないほど、ひたすらに攻め倒す完勝だった。
終局後は「難しい将棋でした」と振り返りつつ、「いいスタートが切れたかなと思うので、何とか第2局もしっかり指したいと思います」と淡々。初の2日制の対局については「初めてで充実感もあったんですが、体力面では課題が残ったと思ったので、次回はそういうところにも気をつけたいと思います」と気を引き締めた。