都知事選 最後の訴え 小池知事「コロナと闘うのが責務」山本氏は知事の対策に疑問
5日に投開票が行われる東京都知事選は4日、選挙戦最終日を迎え、各候補が“最後の訴え”を行った。2選を目指す現職の小池百合子知事(67)は、宣言通りの「オンライン選挙戦」を貫き、街頭演説は行わないまま選挙戦が終了。この日、都内で新たに131人の新型コロナウイルス感染が確認され3日連続で3桁台に到達しており、対策に最後まで追われた。れいわ新選組代表の山本太郎候補(45)は、新宿駅南口での演説で選挙戦を完走。コロナ禍での都知事選の強行を批判した。
新型コロナウイルスの感染拡大という未曽有の危機的状況の中での選挙戦は、投開票を残すのみとなった。
小池氏は、6月12日の出馬会見で「『3密』と言っている私自身がやるのは難しい」と街頭演説を実施しないオンライン選挙戦を宣言。自身の公式サイトやSNSを通じた動画によるアピールに終始し、最後まで街に出ることはなかった。
選挙戦中に徐々に新規感染者が増加し、この3日間は100人超えに。午後に西村康稔経済再生担当相と会談した小池氏は、自身の選挙戦を「ずっと公務優先でやってきた。コロナと闘うのが一番の責務」と話した。結果として感染者急増に伴う会見などでメディア露出も急増し、それが都知事選へのアピールになっているという見方もある。
街頭演説を行わない選挙戦といえば、元都知事の故・青島幸男さんが参議院選挙で用いた。青島さんも放送作家・タレントとして圧倒的な知名度を誇っており“強者の戦略”とも言える。都知事選では過去に現職知事が敗北したことはない。
対抗馬の各候補者も、コロナ禍で工夫を余儀なくされた選挙戦。山本氏は新宿駅南口で最終演説を実施。新型コロナウイルスを災害に指定するべきという従来の主張を繰り返し、小池氏のコロナ対策に疑問を呈した。コロナ禍の中で都知事選を“強行”したこと、それに対して国や都からも反対意見が出なかったことを問題視した。