藤井七段 勝てば最年少初タイトル 戴冠に立ちはだかる渡辺三冠の魔王データ

 前日検分を行う藤井聡太七段(左)と渡辺明棋聖(日本将棋連盟提供)
タイトル獲得をかけて棋聖戦第3局に臨む藤井聡太七段
 渡辺明三冠
3枚

 将棋の藤井聡太七段(17)が、渡辺明三冠(36=棋聖、棋王、王将)に挑戦する第91期ヒューリック杯棋聖戦五番勝負第3局は9日、東京・都市センターホテルで指される。8日には両者が参加して対局場の前日検分が行われた。藤井七段が勝利すれば3連勝となり、17歳11カ月と史上最年少でのタイトル獲得記録樹立となる。だが、迎え撃つのは「魔王」の愛称で知られ、現役最強棋士の1人に挙がる渡辺三冠。しかもこの第3局においては渡辺三冠の“逆襲”を後押しするデータが3点、存在する。

 棋聖戦第1、2局、そして今月1、2日に行われた王位戦第1局も完勝し、タイトル戦無傷の3連勝と手のつけられない強さを誇る藤井七段。一気のタイトル奪取を期待する声も大きいが、渡辺三冠のデータは、快挙達成がそう容易ではないことを表している。

 渡辺三冠は過去に33回タイトル戦を戦い、うち25回で勝利している。その勝率の高さもさることながら、敗れた8回についても“ストレート負け”は一度もない。カド番に追い込まれても、必ず1勝は挙げている。

 また、渡辺三冠といえば、逆境での強さに定評がある。2008年の第21期竜王戦七番勝負で、挑戦者羽生善治九段(49)に3連敗しながら4連勝で逆転防衛を果たし、史上初の永世竜王位を獲得した。タイトル戦七番勝負で3連敗後の4連勝は史上初の快挙であり、永世竜王位をかけた大一番で羽生九段相手に成し遂げたことにも大きな意味がある。

 さらに、棋聖戦に関しては、渡辺三冠は過去3回挑戦して昨年、初めて奪取に成功。その前の2度は1勝3敗で敗れているが、いずれも第3局だけは必ず勝利している。いずれのデータも今局は渡辺三冠の“必勝”を示しているが、あらゆる記録を破り続けてきた藤井七段は、この壁も一気に乗り越えていくのか-。歴史的大一番への注目が高まる。

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