直木賞に「少年と犬」馳星周さん 7度目の正直に故郷で喜び

 第163回芥川賞、直木賞の選考会が15日、都内で、芥川賞は高山羽根子さん(45)の「首里の馬」と遠野遥さん(28)の「破局」に、直木賞は馳星周さん(55)の「少年と犬」に決まった。太宰治の孫の石原燃さん(48)の芥川賞受賞はならなかった。

 7度目の候補で受賞した馳さんは故郷の北海道浦河町の居酒屋で電話連絡を受け、左手の親指と人さし指で丸印。「書けるだけ書き続けたい」と喜び、「二十何年間、一生懸命小説に向き合ってきたことが評価されたかなと思う」と語った。

 受賞作は、多様な人物と交わりつつ旅を続ける犬の道行きの先に、思わぬ真実が浮かぶ連作短編集。選考委員の宮部みゆきさんは「善良なだけではない人物像は馳さんでないと書けない。間違いなく代表作だと思う」と述べた。

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