吉村知事 大阪ミナミ「ホットスポット」に休業、時短営業を要請へ コロナ感染216人
大阪府の吉村洋文知事(45)が31日、大阪市随一の繁華街・ミナミの一部エリアにある接待を伴う飲食店や居酒屋など、酒を提供する店やカラオケ店に休業や時短営業を要請することを公表した。期間は8月6日から20日まで。大阪府の新型コロナウイルスの新たな感染者は216人だった。東京都ではこの日、463人の感染者が確認された。7月30日の367人を大きく上回り、過去最多を更新した。
道頓堀や宗右衛門町、法善寺横丁といった名だたるネオン街が対象になった。新型コロナウイルス対策本部会議終了後に会見した吉村知事は休業・時短営業を要請するミナミの具体的な地域として東西を御堂筋と堺筋、南北を長堀通と千日前通に囲まれた場所をピンポイントで挙げた。
6日から20日までの15日間、エリア内の酒を提供する飲食店や、キャバクラやホストクラブなど接待を伴う店で、コロナ感染予防対策を取っていない店舗には休業を要請。府の感染拡大予防ガイドライン順守の証明となる感染防止宣言ステッカーを貼る店には午前5時から午後8時までの時短営業を要請する。
吉村知事はPCR検査の結果などから、対象地域をミナミの中でも特に陽性者が多いホットスポットに指定。「ミナミで陽性者が突出していて、中心地で広がっているのは事実。どこかで線を引かざるを得ない。大通りで囲まれたエリアをホットスポットと判断した。断腸の思い」と理解を求めた。
一方で、キタと呼ばれる梅田駅を中心にした繁華街は対象外に。吉村知事は「キタや他の繁華街を対象にすることは考えていない。まずは震源地となっているところを抑えないといけない。経済活動や生活も守っていかないといけない。エリアを絞って経済へのダメージを最小にして、感染症対策は最大にしたい」と説明した。
対象地域内でステッカーを貼る店舗が時短営業に応じた場合、府と大阪市が1日1万円ずつ計2万円、15日間で30万円を補償するとした。吉村知事は、7月30日には西村康稔経済再生担当大臣(57)と電話会談。「さらに1万円上乗せしてくれたら店も助かる」と政府に支援を要請した。