渡哲也さん死去 遺作映画は「男たちの大和/YAMATO」…出演作多数

渡哲也さん=2011年撮影
 映画「男たちの大和」の撮影で長渕剛(左)と握手をかわす渡哲也さん=2005年5月
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 ドラマ「大都会」や「西部警察」シリーズで大人の男の魅力を放ち、歌手としても「くちなしの花」を大ヒットさせた俳優・渡哲也=本名・渡瀬道彦=さんが10日に肺炎のため亡くなったことが14日分かった。78歳。兵庫県淡路市出身。渡さんは1965年にデビュー後、数々の映画、ドラマに出演。映画では05年「男たちの大和/YAMATO」が遺作となった。

 渡さんは1965年、宍戸錠主演の日活映画「あばれ騎士道」でデビュー。同年、「泣かせるぜ」で憧れの人、石原裕次郎さんと初共演を果たした。続く「赤い谷間の決斗」で2度目の共演を果たし、裕次郎さんとの距離を一気に縮めることとなった。

 66年、日活純愛路線のトップスターだった吉永小百合と「愛と死の記録」で初共演。同年の「東京流れ者」、68年以降の「無頼」シリーズで180センチの高身長、空手2段、柔道初段の腕前を生かし、硬軟こなせる若手アクションスターとして活躍。石原裕次郎さん、小林旭に次ぐ日活スターに成長した。

 71年に日活を退社し、憧れの石原裕次郎さん率いる倒産寸前だった「石原プロモーション」に入社。当時、石原プロは映画製作で莫大な借金を背負っていたが、渡は再建に貢献。87年に裕次郎さんが52歳の若さで亡くなると、11年3月に退任するまで石原プロモーションの2代目社長として“石原軍団”を率いた。

 74年にはNHK大河ドラマ「勝海舟」に主演したが、撮影中の同年2月、肋膜炎(胸膜炎)に倒れ、9カ月入院し、無念の途中降板。大河降板が週刊誌などで報じられると、73年8月に発売していた「くちなしの花」のレコード売り上げが伸び、本人不在のまま大ヒット。同74年、全日本有線放送大賞金賞を受賞したほか、NHK紅白歌合戦への出場を果たした。

 75年、映画「仁義の墓場」で再起。76年「やくざの墓場・くちなしの花」でブルーリボン賞などを受賞。その後、映画からドラマに活躍の舞台を移し、石原プロが初めて手がけ、裕次郎さんが陣頭指揮を執ったドラマ「大都会」(76~79年)に主演。続く「西部警察」(79~84年)シリーズでは、角刈りにティアドロップ型のサングラス姿の大門団長を演じ、圧倒的な存在感を放った。

 96年、98年「時雨の記」、00年「長崎ぶらぶら節」とたて続けに共演。映画出演は05年「男たちの大和/YAMATO」が遺作となった。

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