ファン歴45年!熱烈鯉党の橋本じゅん「いつも勇気もらっています」

 舞台、ドラマ、映画など幅広い分野で活躍している俳優の橋本じゅん(56)。神戸市出身ながら小学生の頃から大のカープファンでもある。「カープから豊かなものをたくさん与えてもらっている」と話す橋本が、鯉党になったきっかけやカープの魅力を語った。

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 劇団☆新感線の舞台をメインに、現在は多くのテレビドラマや映画、CMなどに出演する橋本。現在、TBS系で放映中の人気ドラマ「MIU404」でもベテラン機捜隊員・陣馬耕平役を好演している。

 実は知る人ぞ知る熱烈なカープファンでもある。広瀬純1軍守備走塁コーチやカープOBの木下富雄氏らと親交があり、また都内の自宅近くにあるカープファンが集まるバーでは「カープ会」を結成。カープ3連覇の時は店内でビールかけならぬ炭酸水かけを行い、喜びを分かち合った。

 ファン歴は実に45年に及ぶ。きっかけは1975年、ルーツ監督の就任だった。小学6年生だった橋本は、神戸市出身で小さい頃から外国人の存在が身近だったこともあり、「なんで原爆の落ちた広島にアメリカ人の監督が来たんだろうと興味を持った」という。

 当時のカープは万年Bクラスのお荷物球団。しかし、途中退任したルーツ監督の後を引き継いだ古葉竹識監督率いる赤ヘル軍団は優勝争いを繰り広げ、球団創設25年目にして悲願のリーグ優勝を飾った。「当時、僕はどこか劣等感を抱えた子供だったんです。でも、カープの優勝を見て、自分もやればできるんだという思いにさせてくれた。自分の原点になっている記憶です」

 以来、周りが阪神ファンばかりの中、赤い帽子をかぶって甲子園に通った。大阪芸大時代に舞台俳優の道を志し、芝居漬けの日々が始まるが、それでもカープの結果はいつも気にかけていた。「あの頃は下宿にテレビもなくて、また、インターネットもない時代だったので、カープの結果を知るのはもっぱらスポーツ新聞でした」

 贔屓(ひいき)の選手は数知れず。「子供の頃は大下選手、外木場投手、衣笠選手や高橋慶彦選手にあこがれました。シェーン、ホプキンスの5、6番コンビも強烈な印象が残っています。津田さんの闘志あふれるマウンドにもクギ付けになりました。僕にとってカープの選手はみんなヒーローなんです」

 年齢を重ねるとともにカープへの愛情は深まるばかり。俳優業の傍ら、5年前から母校の大阪芸大で専任教授を務めているが、カープのアンダーウエアを身につけて授業に臨んでいるのもその思いの表れ。「FAで主力選手が引き抜かれても、代わりの選手を厳しい練習で鍛えて育てていくのがカープ。黒田投手の座右の銘である『耐雪梅花麗』(雪に耐えて梅花麗し)は、まさにカープ魂を体現した言葉だと思います。苦難からはい上がっていくカープの姿が、どこか僕の俳優人生とも重なるような気がして、いつも勇気をもらっています」

 コロナ禍の今季、カープは苦しい戦いをしいられている。V奪回は厳しい状況だが、橋本はまだあきらめてはいない。「なにか流れを変えるきっかけがあれば…。森下投手や遠藤投手といった若い芽が育ってきているし、野手も坂倉選手、羽月選手らが新しい風を吹かせてくれている。中村奨成選手も2軍落ちしてしまいましたが、あの振りの鋭さはとても楽しみです」

 俳優として円熟期を迎え、今後ますます幅広い分野での活躍が期待されるが、カープとともに歩んでいく人生のスタンスは、これからも変わらない。「これまで僕はカープから豊かなものをたくさん与えてもらってきました。感謝しかありません。だからこそ僕自身も最後までカープをしっかりと見届けていきたいと思っているんです」。生涯カープ愛を貫いていく決意だ。(デイリースポーツ・工藤直樹)

 ◆橋本じゅん(はしもと・じゅん) 本名は橋本潤。1964年2月25日生まれ。兵庫県神戸市出身。大阪芸大在学中に劇団☆新感線に参加。以降、同劇団の看板俳優として活躍する。92年、NHK連続テレビ小説「ひらり」で、阪神ファンの医師役を演じ、知名度が上がる。現在は舞台、映画、テレビドラマ、CMなどで活躍。

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