「フットボールネーション」作者・大武ユキ氏が乳がん告白 治療のため休載

大武氏のがんと「フットボールネーション」休載を伝える「ビッグコミックスペリオール」誌面
「ビッグコミックスペリオール」18号の表紙
2枚

 コミック誌「ビッグコミックスペリオール」で連載中のサッカー漫画「フットボールネーション」の作者である女性漫画家・大武ユキ氏が、27日発売の同誌18号で、乳がん治療のため、同作を休載することを発表した。

 同誌編集部は「フットボールネーション 休載のお知らせ」と題してメッセージを掲載。「この度、大武ユキ先生の乳がん手術の治療のため、原稿の執筆が難しい状況となってしまいました」と報告した。19号以降は休載となり、2021年2月末に予定していた単行本16集も発売延期とした。

 編集部によると、病名の公表は大武氏自身の意向。定期検診が早期発見につながったとしており、「検診・早期発見の重要性をお伝えするためにも病名を公表したい」と大武氏が判断したたという。

 大武氏は「1日でも早く復帰したい」と前向きに語っているという。

 大武氏は手術を終えた後、28日に自身のツイッターを更新し、「ステージは1の後半~2の前半て感じで、幸いリンパに転移は有りませんでした。ので、患部の部分切除の後は、放射線治療とホルモン剤…って感じです。利き手の右側なので、手に違和感が出ないと良いなぁとは思っています。」と状況を報告した。さらに「さっきは一人でスタスタ歩いて、エレベーターに乗って胸部X線を撮りに行って戻って来ました」と元気に動いていることも伝えた。

 「フットボールネーション」は2010年から同誌で連載がスタートした。情熱的な人間関係やドラマチックな試合展開などの従来のサッカー漫画とは一線を画した、科学的アプローチが特徴だ。運動科学総合研究所の高岡英夫所長が科学指導を担当しており、インナーマッスル、ももの裏の筋肉、プレー中の姿勢や目線の重要性を説くなど、最新の理論も作品に採り入れられている。

 元は有望な選手だったが、ある理由で少年院に入っていた沖千尋を中心に、一度はサッカーをあきらめたメンバーが集まった、東京社会人リーグ3部の「東京クルセイド」が天皇杯優勝を目指すストーリー。現在は天皇杯決勝の熱戦が描かれているところだった。

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