内田樹氏「28日に首相辞意表明」ツイートで物議の予定稿「没にならずに済みました」
神戸女学院大学名誉教授で思想家の内田樹氏が28日、ツイッターに新規投稿。26日に「新聞社二社から相次いで『安倍政権の総括』原稿を頼まれました。28日に辞意表明の確率が高いということでの予定稿です」とツイートしていたことを受け、「予定稿は没にならずに済みました」と明かした。
神戸市内で武道と哲学研究のための学塾を主宰する内田氏はこの日、兵庫・芦屋で「恒例の暑気払い」をしたことをつづった中で「でかける前にばたばたと安倍首相辞任についてのコメントと原稿書き。予定稿は没にならずに済みました。Fortunately(編集注・英語で「幸いにも」の意)っていう副詞をこういう場合に使っていいのかな?」と投稿した。
同氏は26日のツイートで「村上春樹ノーベル文学賞受賞の予定稿は毎年書いてますけれど、安倍総理辞任の予定稿ははじめてです」と記しており、その原稿内容の要旨についても同日に投稿した。
その1点として「安倍政権の『功罪』について。『権力者はどんな無法非道をしても処罰されない』という歪んだモラルを深く内面化した人たちが『リアリスト』を自称するようになって、あちこちで偉そうにしているというのが『罪』の最たるものかな」と紹介。
さらに、同氏は「それから事大主義の蔓延。『勝った者は正しかったから勝ったのだ。多数派を制した者は真理を語ったから多数の票を得たのだ』という頭の悪い推論を政治家もジャーナリストも平気でするようになりました。大事なことなのでもう一度言います。『頭の悪い推論』です。数的多寡は主張の真偽と相関しません」と付け加えた。