安倍晋三首相が辞任の意向を表明した２８日、社会風刺コント集団ザ・ニュースペーパーのメンバーで、第１次政権から安倍晋三首相を演じてきた俳優の福本ヒデ（４９）は「びっくりしましたね。まさか辞任するとは」と衝撃を隠せなかった。

　週刊誌がスクープした吐血情報、病院通いなどで世間の注目が集まった上での電撃辞任発表。官邸の情報操作の巧みさを指摘し「第１次と違って投げ出したんじゃない、頑張ってきたけど、限界が来たと。会見で涙ぐむ様子を見せられて、みんな『ごくろうさま』って言いたくなるような雰囲気があった。支持率が上がっているかも」と分析した。こだわって着用していた布製マスクを止めたことにも触れ「アベノマスクをつけたまま辞めませんでしたね。ちゃんと卒業して、違うマスクをして」とチクリ。

　ニュースペーパーの風刺は、首相にとっては耳の痛い内容もあったはずだが、クレームが来るどころか、公邸に招かれてクリスマスパーティーでネタを披露したことも。「ご本人やご家族の前でしたから、ネタは忖度しましたけど、ずっと立って見てくれてましたね」と回想。翌日には知らない携帯から「どうも、安倍です。また機会があれば」と直電が入ったという。

　ポスト安倍の展望を聞くと「ニュースペーパー的には岸田文雄さんはだけは、やめてほしい。メンバーがちょっと挑戦したことがあるんですけど、（地元の）広島公演でも出番がなくて」と苦笑。キャラ立ちしていないことを憂えた。

　歴代最長を記録した安倍首相が去っても、福本の持ちネタには、麻生太郎氏、石破茂氏の名前が。これまで小泉純一郎氏、野田佳彦氏も演じているだけに「自分がずっと首相役をやってきてるんで、（劇団の）メンバーがギスギスしてる。菅（義偉）さんは、メンバーの山本天心がやってるんで、菅さんになってほしいですね。『令和』のネタもあるし」と笑わせた。

　さらに「今後は自由になった昭恵（夫人）さんがどうなるか。モリカケ問題をしゃべってくれないかな。ＹｏｕＴｕｂｅで『昭恵チャンネル』を立ち上げるんじゃないですか」とファーストレディーの肩書がなくなる昭恵氏の動向に注目していた。