宝塚雪組・彩風咲奈 涙の主演公演初日 コロナ禍で当初の会場と日程大幅変更
宝塚歌劇雪組スター彩風咲奈(あやかぜ・さきな)主演「炎のボレロ/Music Revolution!-New Spirit-」が29日、梅田芸術劇場メインホールで開幕した。
当初は彩風の出身地である愛媛県をはじめ、全国9都市を巡る全国ツアー公演として5月2日~26日に予定されていたが、コロナ禍で中止に。劇場と日程を変更し、8月17日~25日に同劇場で上演されることになっていた。だが出演者1人から新型コロナウイルス感染者が出たため、再度公演日程を変更。数度の中止変更を乗り越え、ようやく初日を迎えた。
「炎-」は1988年に星組の日向薫主演で上演され好評を博した作品で、32年ぶりの再演。1860年代のフランス傀儡政権下のメキシコを舞台に、政府に抵抗して領地や財産を奪われ、家族をも失った青年貴族アルベルトが、復讐のため、そして祖国を取り戻すため仲間と立ち上がる姿を描いたミュージカル。彩風は丁寧な演技で、見る者の心を打った。ヒロインの潤花は、今公演に宙組に組替えとなる。
ショー「Music-」はジャズ、ロック、ラテン、ポップス、クラシック…様々なジャンルの音楽の持つ美しさをテーマとしたダイナミックなショー。ダンスが魅力のひとつである彩風は、舞台映えする容姿を十分に生かし、舞台狭しと歌い踊った。
コロナ禍で、幕が開けるまで中止と延期を繰り返した今公演。客席は通常の半分以下に抑えられたが、ファンは人数の少なさを感じさせない大きな拍手を送った。彩風もようやく迎えた初日にこみ上げる思いを押さえ切れず「有難うございました」と挨拶すると、大粒の涙をこぼしていた。