将棋の藤井聡太二冠（１８）が９日、大阪市の関西将棋会館で指された第７９期順位戦Ｂ級２組４回戦で、谷川浩司九段（５８）に７６手で勝利。今期の順位戦では無傷の４連勝とし、８月１９、２０日の王位戦第４局を制して二冠を達成後、初の公式戦を勝利で飾った。

　タイトルホルダーとなった藤井二冠に敬意を表し、谷川九段は先に対局場入りしてすぐに下座に着席した。戦型は互いに得意とする角換わりに。中盤に藤井二冠が１時間以上の長考を連発するなど、ゆっくりとした流れとなった。藤井二冠は「途中では自信がなかった」としながらも、夕食休憩後に徐々にリードを奪い、最後は大差で勝ち切った。

　８月４、５日の王位戦第３局で、対局場となった神戸の印象を問われ「谷川先生の出身地として有名」と答えるなど、藤井二冠にとって谷川九段は憧れの存在。偉大な“レジェンド”を相手に堂々の指し回しを見せたが、「少し見慣れない形になって、対応がわからなくなってしまったので、そのあたりが課題かなと」とあくまで謙虚に足元を見据えた。