藤井二冠“苦手”の豊島竜王に敗戦…逆転に次ぐ逆転の熱戦を落とし通算0勝5敗
将棋の藤井聡太二冠(18)が12日、都内で行われた、第41回将棋日本シリーズJTプロ公式戦2回戦で、豊島将之竜王(30)に108手で敗れた。これで豊島竜王には、通算0勝5敗。複数回対局した中で唯一、白星を挙げていない相手に、またしても屈した。
持ち時間10分、考慮時間5分、切れた後は1手30秒以内という、公式戦では“最速”の早指し棋戦。戦型は横歩取りとなった。対局前に「早指しですので、勢いよく指していい対局ができれば」と宣言した通り、先手番となった藤井二冠は序盤から踏み込んだ手を連発。豊島竜王も強く反発し、早々と大駒を交換する激しい戦いとなった。
インターネット中継の「ABEMA」が使用する将棋AIでは、一手指すごとに形勢が入れ替わる大混戦。藤井二冠は「積極的にいこうと思ったのですが、ちょっと途中で見落としがあって、少し内容的にはまずかったのかという気がします」と振り返った。
それでも粘り強く指し続け、最終盤は必勝の局面に。だが、そこで痛恨の見落としで形勢が一気に逆転。最後は自玉が詰まされて無念の投了となった。局後の感想戦で、AIが示した勝ち筋を伝えられると、「ああ…。この方が自然でしたね」と、肩を落としつつ苦笑いした。
二冠となってから初黒星で、準決勝進出を逃した藤井二冠。今期成績は23勝4敗、勝率・852と、驚異的な数字に変わりはないが、夢の全冠制覇を視野に入れるためには、極端に相性の悪い相手は作りたくない。過去4戦は無冠の状態だったため“格下”だったが、タイトルホルダーとして肩を並べた以上、いち早く苦手意識は払拭したいところだ。