桂塩鯛、65歳で1日6席に挑戦「コロナより体力心配」 10月に恒例独演会2回公演

独演会で初の1日6席に挑む桂塩鯛=大阪市内
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 落語家の桂塩鯛(65)が14日、大阪市内で、恒例の「桂塩鯛独演会」(10月11日、大阪・サンケイホールブリーゼ)の会見を行い、初の1日6席に挑むことを明かした。

 新型コロナウイルスの影響で、観客を456席(通常収容912席。有料配信あり)にする今年は、1日2公演での開催。塩鯛は「2回公演は普通、同じネタを2回やるけど、(主催側から)変えてくれと。1日6席せな…」と経緯を明かした。

 1日6席の経験を聞かれて「ありません」と即答し、「コロナより私の体力が心配」とこぼした塩鯛。8月下旬の京都での独演会の前夜に37・8度の発熱がありコロナを疑った。結果はウイルス性胃腸炎で、点滴して京都公演を務め上げた。

 春からのコロナ禍で仕事も消滅。最初は休みを歓迎し、ウオーキング中にネタを繰るなどした。しかし、長引くとやる気も失せた。家にこもると、好きな映画「男はつらいよ」を鑑賞。結果的に故渥美清さんのセリフの間や言い回しが勉強になったという。

 その後、落語会などが徐々に再開された。1発目の落語会では「緊張した。(久々で)声の出し方も分からなかった」という塩鯛。今年はあきらめていた10月のサンケイ独演会がやれることになって喜んだ。そこへ思わぬ“重労働”が決定。「(最初は)気合入りましたよ。でも、これ(1日6席)でしぼんでしまった感じ」と話して笑わせた。

 当日は桂文枝(77)が三枝時代に創作した「ワニ」「宿題」などを披露する。例年、この独演会が終わると同時に来年のことを考えるという塩鯛は「まだ大丈夫ですけど、ボチボチ(ネタが)切れてきた」とぼやいた。

 2018年12月に出演していた寄席の会場から救急搬送された。肝硬変と敗血症と診断され、集中治療室に入る容体だったが、19年2月に復帰。現在は酒を断ち、免疫力アップを心がけて黒にんにくを摂取し、バナナを毎日食す。時間があれば30分のウオーキングをし、ストレッチも欠かさないなど健康には人一倍気をつかっている。

 1日6席を嫌がる素振りを見せた後、「力の入れようとか、分かってきたと思う。6席やれないことはないと思う。まだ60代だし」と力強い言葉を発した。襲名から10年。塩鯛が円熟の高座を披露する。

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